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メタルフリーカラムを用いたカビ毒フモニシンのLC/MS/MS分析

カビ毒の一種であるフモニシン類は金属配位性を示します。フモニシンのような金属配位性のある化合物のHPLC分析においては、カラムハードウェアや配管などのステンレスへの吸着によるピーク形状不良やキャリーオーバーが問題となることがあります。
YMC-Triart [メタルフリーカラム]は、このような金属配位性化合物の安定した分析に非常に有効です。

YMC-Triart C18を用いたフモニシン類のLC/MS/MS分析

フモニシンの分析において、ステンレスカラムでは試料が金属と相互作用することにより、大きくテイリングしていますが、メタルフリーカラムでは良好なピーク形状が得られています。
また、ステンレスカラムでは、金属に試料が吸着してしまい、キャリーオーバーが認められますが、メタルフリーカラムではキャリーオーバーはありません。
金属配位性のある化合物では、メタルフリーカラムを用いることで高感度分析や定量性の高い分析が可能です。

Column YMC-Triart C18 (3 μm, 12 nm), 150 X 2.1 mmI.D.
Eluent A) water/HCOOH (100/0.1)
B) acetonitrile
25-50%B (0-5 min), 50%B (5-8 min), 50-90%B (8-10 min)
Flow rate 0.2 mL/min
Temperature 40ºC
Detection ESI, positive
Scheduled MRM (メタルフリーカラム),
MRM (ステンレスカラム)
Injection 5 μL (0.1 μg/mL)
Instrument LC) Shimadzu Prominence UFLC
MS) AB Sciex 3200 QTRAP