テクニカルインフォメーション

  分取の流れとその検討方法 分析スケールでの条件検討 負荷量の検討 スケールアップ 分取条件の最適化 分取条効率的な分取のテクニック   分取精製例

1. 分析スケールでの条件検討

分取精製のための条件検討を行う際は、まず分析スケールで検討することから始めます。カラムを選択する際は、粒子径ラインナップやコストなど、分取へスケールアップすることを想定して選択する必要があります。同じように分離条件も精製フラクション(分画液)の後処理などを考慮する必要があります。

分離モード(充填剤)の選択

試料を分離できるモードが複数ある場合は、以下のような点を考慮して選択する必要があります。

  1. 分離の効率 分離能、試料負荷量、分取時間
  2. 経済性   充填剤・移動相のコスト、単位時間当たりの処理量
  3. その他   安全性、目的成分の変性、システムの簡便さ

分離条件の検討

分取では、分析と異なり目的成分を効率的に高純度、高回収率にて得ることを第一に考えます。分離すべきものとそうでないものとを考えて溶離条件を設定することが効率的な分取を行うポイントです。

分離条件の検討

移動相条件の検討

分析カラムを使用して、移動相条件を検討します。基本的に分析の条件の検討と同じですが、分取目的の場合は負荷量や精製フラクションの後処理の効率を考慮して検討します。
アイソクラティックでの分離では、リサイクル分取や溶媒の再利用が可能で、連続分取の際の平衡化が不要となります。グラジエントではピーク幅が小さくなるため、分取フラクションの液量低減が期待できます。

Eluent A) water/TFA (100/0.1)
B) acetonitrile/TFA
(100/0.085)
Temperature 40ºC
Detection UV at 214 nm

移動相のpHコントロールを行う場合、揮発性の添加剤を使用すると後処理が簡単です。

温度依存性の確認

分析ではカラム温度はカラムオーブン等で一定に保つのが一般的ですが、分取精製においてはカラム温度はコントロールされた室温が好まれます。室温と異なるカラム温度に設定する場合、内径の大きいカラムでは大がかりな装置が必要となり、また中心部と側壁付近で温度に差が生じやすくなります。カラム内で温度差が生じると試料の流れが不均一になり、ピーク形状不良やピーク割れの原因となります。このため、分析スケールで分離やピーク形状の温度依存性を確認し、できる限り室温下の分離条件を選択します。