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No.14 カラムの圧力が上昇したら

HPLCのトラブルのひとつに圧力上昇があります。ここでは、逆相分離における圧力上昇時の対処法を紹介します。

圧力上昇が発生したら、カラムをはずして通液し、ライン圧を確認してください。ライン圧が高い場合は、配管等に詰まりがあると考えられます。ライン圧に問題がなければ、カラムの圧力が高くなっていると考えられます。カラムを洗浄してください。逆フローでの洗浄が効果的です。逆フローでの洗浄時はカラムに高い圧力がかからないよう注意してください。また、カラム出口は検出器には接続しないでください。
カラムの洗浄は 一般的には有機溶媒の組成比を上げて洗浄しますが、注入した試料の特性を考慮して試料が溶解しやすい溶媒を洗浄溶媒としてください。逆相分離では試料中の蛋白質が充填剤に吸着して圧力上昇を起こすことも多くあります。このような場合は、有機溶媒で洗浄するよりも0.1%TFAを含むアセトニトリル/水のグラジエント法による洗浄が有効です。試料中の不溶物や分離時の試料の析出が原因と考えられる場合は、カラムのフリット(フィルタ)の洗浄や交換が有効な場合もあります。

しかし実際には、カラムの圧力が一度上昇すると洗浄しても回復困難な場合が多いのが現実です。試料のろ過はもちろん除蛋白などの前処理や、ガードカラムの使用など、カラム圧力の上昇を防止することが望まれます。