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No.1 逆相クロマトに使用される有機溶媒のお話

逆相クロマトグラフィにおいてメタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等はよく用いられる有機溶媒です。これらの有機溶媒は「HPLCグレードが用意されているにもかかわらず、特級グレードを用いたことにより貴重な時間を無駄にしてしまった。」というトラブルを耳にすることがあります。
このグレードの違いはどのような差となって現れるのでしょうか?

メタノール・アセトニトリルの場合

特級グレードはHPLCグレードと比べて紫外吸収を持つ不純物の量が多いため、グラジエント分析や微量分析の際には使用することが困難かと思われます。 特に検出波長が短波長の場合はベースラインの安定性や検出感度に大きな差があらわれます。場合によっては(検出波長によっては)特級グレードでの分析も可能ですが、安定したクロマトグラムを得るためにはHPLCグレードの溶媒を使用することをおすすめします。

テトラヒドロフランの場合

テトラヒドロフランは過酸化物を生じ易いため、通常酸化防止剤が添加されています。この酸化防止剤はゴーストピークの原因となるため、HPLCでは酸化防止剤を含まないものを使用する必要があります。また、テトラヒドロフランに含まれる過酸化物等もベースラインの安定性に大きく影響するため(グレードの差は他の有機溶媒より大きい)このような不純物含量の少ないHPLCグレードを使用することをおすすめします。