テクニカルインフォメーション

エソメプラゾールマグネシウム分析の高速化 ~国際調和案に基づく条件変更~

薬局方においては、多くの医薬品において汎用的なカラムサイズを用いた試験法が規定されていますが、UHPLCに対応するため、米国薬局方(USP)や日米欧三薬局方国際調和案には、システム適合性を満たす範囲内での分析条件変更を許容する記載があります。

USP 42に収載されているEsomeprazole Magnesium [ORGANIC IMPURITIES] のHPLC分析について、USP準拠の条件および高速化条件で分析しました。
カラムはL7が規定されているので、有機シリカハイブリッドカラム YMC-Triart C8を用いました。USP準拠の条件では、粒子径5 µm、カラムサイズ150 X 4.6 mmI.D.を、高速化の検討は、粒子径3 µmと1.9 µmでL/dp(L:カラム長、dp:粒子径)が国際調和案における変更許容範囲(22,500≤L/dp≤45,000)を満たすカラムサイズで実施したところ、 USP準拠の条件と高速化条件のいずれもシステム適合性を満たしました。
YMC-Triartは粒子径によらず、ピーク形状や選択性が同一であるため、HPLCからUHPLCへのメソッド移行を容易に行うことができます。

  USP USP準拠 高速化(HPLC) 高速化(UHPLC)
Column 125 X 4.0 or
150 X 4.6 mmI.D.;
5 µm, packing L7
YMC-Triart C8 5 µm,
150 X 4.6 mmI.D.
(L/dp=30,000)
YMC-Triart C8 3 µm,
100 X 3.0 mmI.D.
(L/dp=33,300)
YMC-Triart C8 1.9 µm,
50 X 2.0 mmI.D.
(L/dp=26,300)
Eluent solution A*1/acetonitrile(29/11)
*1Dissolve 0.725 g of NaH2PO4・2H2O and 4.472 g of Na2HPO4 in 300 mL of water, and dilute with water to 1000 mL.
Dilute 250 mL of this solution with water to 1000 mL. If necessary, adjust with H3PO4 to a pH of 7.6.
Flow rate 0.8-1 mL/min 1.0 mL/min 0.7 mL/min 0.5 mL/min
Temperature Not indicate 45°C
Detection UV at 280 nm
Injection 50 µL 20 µL*2 6 µL 1 µL
System suitability requirement Rs (1, 2) ≥3.0

*2使用装置の最大注入量

*3システムボリューム、データ取り込み速度を最適化