テクニカルインフォメーション

SEC用カラムYMC-Pack Diolを用いたモノクローナル抗体とフラグメントの
高分離分析

YMC-Pack Diolは、シリカ系のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)用カラムで、粒子径・細孔径が異なる各種ラインナップから目的に応じたカラムの選択が可能です。粒子径2 µmカラムは、バイオ医薬品の凝集体やフラグメントの短時間分析や高分離分析に有効です。

モノクローナル抗体とその凝集体の分離

流速の分離への影響

モノクローナル抗体をDiol-300、2 µmカラムを用いて分析した例を示しています。流速を下げるほど、凝集体であるピーク1の分離が良くなっています。一方で流速が高いほど分析時間は短くなります。
高分離が必要な場合には低流速、十分な分離が得られている場合には高流速で分析するなど、目的に応じた設定が有効です。

Flow rate
(mL/min)
N (2) P (MPa)
0.8 7,300 28.3
0.6 8,900 20.9
0.4 9,400 14.4
0.2 15,200 7.2
Column YMC-Pack Diol-300, 2 µm,
300 X 4.6 mmI.D.
Eluent 0.1 M KH2PO4-K2HPO4 (pH 7.0)
containing 0.2 M NaCl
Detection UV at 280 nm
Temperature ambient
Sample Humanized monoclonal lgG1

2 µmカラムを用いた高速分析

2 µmカラムは150 mm長のサイズもラインナップしており、5 µm、300 mm長のカラムと同等の分離で分析時間を半分に短縮することが可能です。

粒子径
(µm)
カラムサイズ
内径 X 長さ (mm)
N (3) Rs
(1, 2)
Rs
(2, 3)
5 4.6 X 300 8,500 0.88 2.67
2 4.6 X 300 16,200 1.17 4.15
2 4.6 X 150 8,700 0.85 2.75
Column YMC-Pack Diol-300, 2 µm,
Eluent 0.1 M KH2PO4-K2HPO4 (pH 7.0)
containing 0.2 M NaCl
Flow rate 0.2 mL/min
Detection UV at 280 nm
Temperature ambient
Sample Humanized monoclonal lgG1

Diol-200を用いたモノクローナル抗体フラグメントの分析

タンパク質分解酵素パパインで断片化したモノクローナル抗体と、断片化前のモノクローナル抗体をそれぞれYMC-Pack Diol-200カラムで分析しています。
高分解能の2 µmカラムを使用することで、高分離が得られています。

Column YMC-Pack Diol-200, 2 µm,
300 X 4.6 mmI.D.
Eluent 0.1 M KH2PO4-K2HPO4 (pH 7.0)
containing 0.2 M NaCl
Flow rate 0.2 mL/min
Detection UV at 280 nm
Temperature ambient

YMC-Pack Diol 2 µmのロット間再現性

YMC-Pack Diolは、超高速分離用の粒子径2 µmにおいても、ロット間再現性が高くバイオ医薬品の特性解析や品質管理に有効です。

Column YMC-Pack Diol-300, 2 µm,
150 X 4.6 mmI.D.
Eluent 0.1 M KH2PO4-K2HPO4 (pH 7.0)
containing 0.2 M NaCl
Flow rate 0.2 mL/min
Detection UV at 280 nm
Temperature 25°C
Sample Humanized monoclonal antibody