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No.9 カラムの再生について

逆相HPLCでは、カラムが劣化するとピーク形状が悪くなったり保持時間が短くなったりします。カラムの劣化はC18などの官能基が脱離したり、基材のシリカゲルが溶解するなど充填剤が化学的に変化するために起こります。したがってこのような状態のカラムを再生して使用することは困難です。

ところで、ODSカラムにおいて有機溶媒を含まない水100%溶離液を使用する場合、図のように化合物の保持が急激に減少することがあります。このように保持時間が短くなってしまうと、カラムの劣化だと考えられる方も多いと思います。しかし、実際はカラムの劣化ではなく、疎水性の大きいC18官能基が結合した充填剤表面と溶離液の水との極性の差が大きいために、充填剤表面が溶媒和されにくく、充填剤の見かけの疎水性が小さくなり保持時間が減少していると考えられます。この場合、有機溶媒を50%以上含む溶離液をカラム容量の10倍程度通液することで簡単に初期の保持時間に回復させることができます。これは、溶離液とC18官能基の反撥が小さくなって溶媒和しやすくなるためと考えられます。水100%溶離液の使用において保持時間の減少が見られた場合には有機溶媒/水の混液を通液してカラムの再生を試みてください。