テクニカルインフォメーション

分取の流れとその検討方法 分析スケールでの条件検討 負荷量の検討 スケールアップ 分取条件の最適化 分取条効率的な分取のテクニック 分取精製例

   

分取精製例

eicosapentaenoic acid (EPA)は、不飽和脂肪酸の1つで、中性脂肪を下げたり血液循環を良くするなどの効果が期待できます。体内での生産ができず外部から摂取する必要があるため、EPAはサプリメント、EPA-EEは医薬品として多数販売されています。
ここではEPA-EEの分取例を紹介します。

分析スケールでの移動相の選択

まずは分析スケールにおいてEPA-EEのピークと近接ピークの分離の検討を行います。有機溶媒であるメタノールの比率で比較すると、メタノールの比率が低いほうが良好な分離が得られています。一方で分取時間は長くなっています。

eicosapentaenoic acid ethyl ester (EPA-EE)

  tR (min)
(EPA-EE)
Rs (1)
(A, EPA-EE)
Rs (2)
(EPA-EE, B)
100% methanol 6.76 1.33 2.18
97% methanol 9.56 1.99 2.78
95% methanol 12.81 2.56 3.24
Column YMC-Omega (10 µm), 250 X 4.6 mmI.D.
Flow rate 1.0 mL/min
Temperature 25°C
Detection UV at 210 nm
Sample 4 mg/mL of 70% EPA-EE

セミ分取スケールでの分取効率の比較

内径10 mmのセミ分取カラムを使用して、移動相のメタノール比率と分取効率の変化を確認しました。
移動相のメタノール比率が100%では、95%と比較すると負荷量や回収率、回収量が低くなっていますが、分取時間が半分であるため、単位時間あたりの回収量は同等以上です。また、分画液量は95%メタノールの時と比較して1/3になっています。分画液量の減少により後処理に必要な時間も短縮されます。このため、移動相のメタノール比率は100%で大量分取を行います。

Column YMC-Omega (10 µm) , 250 X 10 mmI.D.
Flow rate 2.0 mL/min
Temperature 25°C
Detection UV at 210 nm
Sample 70% EPA-EE
  100% methanol 95% methanol
負荷量 480 mg 730 mg
回収量 200 mg 380 mg
1 runにかかる時間 45 min 90 min
分画液量 3.5 mL 11 mL
分取回数/日 32回 16回
回収量/日 6.4 g 6.1 g

効率的な大量分取

条件を最適化した内径10 mmのセミ分取用カラムから内径200 mmの可動栓カラムを用いた大量分取カラムへスケールアップしました。通常、流速はカラムの断面積比(400倍)に合わせてスケールアップすることで、同等の分離が得られます。本分取では、断面積比でのスケールアップ後の流速をさらに倍(線速度を2倍)にすることで、1回あたりの回収量は若干低下するものの1 runの時間が半分になるため、単位時間当たりの生産量が1.8倍になり、生産性がアップしています。

Column YMC-Omega (10 µm)
Eluent methanol
Temperature ambient
Detection UV at 210 nm
Sample 70% EPA-EE