分取精製の流れとその検討方法



分取精製に最適な条件を選択し、効果的な分取を実施するまでの基本的な流れと検討項目について説明します。

分取カラムの選択方法

1) 分離モードの選択(試料の分離可能な条件を分析カラムで検討)

試料を分離できるモードが複数ある場合には以下のような点を考慮して選択する必要があります。

  1. 分離の効率:分離能、試料負荷量、分取時間
  2. 経済性:充填剤、溶離液のコスト、単位時間あたりの処理量
  3. その他:安全性、目的成分の変性、システムの簡便さ

2) 分取スケールの選択

試料処理量に応じてカラムの内径及び充填剤の粒子径を選択します。表1にカラム内径と充填剤粒子径の大まかな選択の目安を示します。

  1. カラム内径
    試料負荷量は、カラムの断面積に比例します。
    試料負荷量に適したカラム内径を選択する必要があります。
  2. 充填剤の粒子径
    充填剤の粒子径が小さい程カラム効率は高くなりますが、その反面充填剤が高価になります。またカラム圧力も高くなり、使用する装置もそれに応じた耐圧性が要求されます。目的成分と近接ピークとの分離が不十分な場合など出来るだけ分離能を高くする必要がある時に粒子径の小さな充填剤を選択すると効果的です。これに対して粒子径が大きい程カラム効率は低くなりますが、充填剤が安価になり、カラム圧力も低くなります。
  3. カラム長
    カラム長が長い程分離能は高く、試料負荷量は大きくなりますが、カラムの長さに比例してカラムの圧力も大きくなります

分取スケールの選択

page top

分取条件の最適化

3) 使用粒子径での分取条件の検討

選択した粒子径の充填剤を用いて試料の分離を検討します。
検討には分析サイズのカラムを用い、分取条件の最適化を行います。
より効果的な分取条件の検討を行うために YMC-Pack R&Dシリーズの使用をお勧めします。

  1. 溶離条件の最適化
    分取では、分析と異なり目的成分を効率的に高純度、高回収率にて得ることを第一に考えます。 分離すべきものとそうでないものとを考えて溶離条件を設定することが効率的な分取を行うポイントです。 分析用充填剤に比べて粒子径が大きくなったことによりカラム効率が低下して必要な分離が得られない場合があります。このような場合には溶離条件の調整や線流速を遅くして分離を改善します。それでも分離が不十分な場合は、カラム長、粒子径のサイズを変更します。
  2. 負荷量の検討
    負荷量を段階的に増やし、目的の純度が得られる最大負荷量を求めます。 求められた最大負荷量をもとに分取カラムにスケールアップした場合の負荷量を算出します。
  3. 分取装置の適正確認
    実際に分取を行なう際の流速とカラムの圧力が装置の性能に適しているかを確認します。分取カラムで検討用カラムと同じ分離を得るためには、線流速を検討用カラムと同じにする必要があります。分取カラムでの流速を検討用カラムの流速の断面積比倍に設定することにより検討用カラムと同じ線流速が得られます。
    線流速が同じならば分取カラムの圧力は検討用カラムの圧力と同等になります。
    カラム圧力が装置の耐圧性能を超える場合には、流速、カラム長などを変更する必要があります。配管系なども使用流速に適したサイズに変更する必要があります。

4) 分取の実施

実際に分取を行ない回収率と純度を確認します。

分取の実施

page top

YMC-Pack 分取用カラム一覧表

  球状充填剤
粒子径(μm) 5 10 15 20 50
20×250 ● ● ● ● ▲
20×500 ● ● ● ● ▲
20×1000   ● ● ● ▲
30×250 ● ● ● ● ▲
30×500   ● ● ● ▲
50×250 ● ● ● ● ▲
50×500   ● ● ● ▲
50×1000     ▲ ▲ ▲
100×500   ▲ ▲ ▲ ▲
100×1000     ▲ ▲ ▲
150×500       ▲ ▲
150×1000       ▲ ▲
200×500       ▲ ▲
200×1000       ▲ ▲

page top